中高年にとって、ダイエットの第一歩は炭水化物や糖質の制限が鍵となります。特に精製小麦を使用した食品(白いパンやパスタ、うどん)は、代謝を低下させ、体脂肪の蓄積を促進する原因に。代謝が落ち始める40代以降は、精製小麦を控えることで、体重管理や健康維持に効果がある一方で、「美味しい炭水化物」は中毒性があり、控えることは意外と難しいものです。この記事は、精製小麦を使用した食品の健康リスクをお知らせして、糖質ダイエットのモチベーションを後押します。
1.精製小麦のリスク概要
中高年にとって、精製小麦を使用した食品(白いパン、パスタ、うどん、白米、ラーメンなど)は代謝に悪影響を及ぼす可能性があります。精製小麦には食物繊維や栄養素が少なく、血糖値を急激に上昇させやすいことが知られています。これにより、インスリンの分泌が増え、脂肪の蓄積を促進し、代謝を低下させる要因となる可能性があります。特に運動量の少ない人の場合、そのリスクは倍増します。
2.精製小麦の食品には、中毒性がある?減らすことは簡単ではない理由
精製小麦を含む食品は、砂糖やジャンクフードと同様に一種の「中毒症状」を引き起こすことがあると言われています。
タバコやアルコールのような中毒症として医師の指摘を受けるようなことはありませんが、「やめる」「量を減らす」には、その中毒性を理解して取り組むことが有効です。
その中毒性が、食後の満足感や快感を引き起こす「ドーパミン」の作用が影響し、依存しやすくなります。
ダメとわかっていても「ドカ食いしてしまう」、「スナック類の手が止まらない」「ついつい早食いしてしまう」などは、満腹感を無意識に探る「ドーパミン」の影響があるかもしれません。
したがって、これらの食品を控えるのは心理的にも難しい場合があることを認識し、徐々に減らす計画・シナリオも重要となります。
また、精製小麦食品は非常に広い範囲で食品に使用されていますので、量を減らすために、該当する食品を概ね把握しておく必要があります。例えば、お好み焼きなどの「粉もの」、餃子やシュウマイの「皮」、ピザの生地、ケーキなどのスポンジ生地、焼き菓子・クッキーなどスイーツ、煎餅・まんじゅうなど和菓子、「でんぷん」を多用したかまぼこ、等々、多くの食品に含まれます。
「摂取する気の有無に関係なく、食べている現状」を理解し、具体的にどうやって減らすか?を決める必要があります。
3.精製小麦食品・炭水化物・糖質を減らすための具体的な行動例
依存性を克服しつつ、代謝改善を図るためのアプローチ案を例示します。
(1)全粒粉や代替穀物の利用
白いパンやパスタを、全粒粉やスペルト小麦、キヌアなど代謝をサポートする高繊維な代替品に置き換えることで、血糖値の安定や満腹感を持続させやすくなります。ダイエット中もパンを食べたい!全粒粉・ふすま粉・大豆粉の選び方
(2)プラントベースフードの導入
プラントベース食品(例えばベースフードやベースブレッド)は、食物繊維が豊富で、ビタミンやミネラルも含んでおり、代謝をサポートするのに効果的です。
(3)少しずつ減らす
精製小麦製品を急に完全にやめるのは難しいため、徐々に量を減らし、週に何回かは全粒粉や他の健康的な代替品を取り入れることで、無理なく控える習慣を作ることができます。
たんぱく質と健康的な脂肪を取り入れる
たんぱく質や健康的な脂肪(オメガ3脂肪酸など)は、血糖値を安定させ、満腹感を持続させるので、精製小麦食品への依存を軽減する助けとなります。
これらのすべて実行することは難しいので、手っ取り早く「あらかじめ糖質制限されたメニュー」を手配する、たとえば、冷凍宅配食のnosh(ナッシュ)を利用することも有効な対策です。
精製小麦食品、過剰な炭水化物・糖質が及ぼす怖いほどの健康リスク
実際に、精製小麦食品、過剰な炭水化物・糖質を減らすことは、簡単ではありません。
実施に、確実に行動を起こすためには、「精製小麦食品の摂りすぎ」は本当に怖いことを理解することが重要です。
怖い健康上のリスクを10点、ご提示します。
1. 血糖値の急激な上昇とインスリン抵抗性のリスク
精製小麦は、食物繊維が少なく消化が早いため、血糖値を急激に上昇させやすいです。この急激な血糖値の上昇により、インスリンが大量に分泌されます。中高年になると、インスリン感受性が低下する傾向があり、この状況が長期間続くと「インスリン抵抗性」につながりやすくなります。インスリン抵抗性は、2型糖尿病のリスクを高め、脂肪の蓄積を促進し、肥満にもつながります。
2. 内臓脂肪の蓄積
インスリン抵抗性が進行すると、内臓脂肪が増えやすくなります。特に中高年は代謝が落ちるため、精製小麦製品の摂取は内臓脂肪の蓄積を促進し、メタボリックシンドロームや心血管疾患のリスクが高まります。内臓脂肪は炎症性物質を分泌し、慢性炎症を引き起こしやすい体内環境を作り出すため、動脈硬化や心疾患の原因にもなり得ます。
3. 消化器の不調
精製小麦は食物繊維が少ないため、腸内環境に悪影響を及ぼすことがあります。特に中高年は腸の働きが弱くなるため、便秘や消化不良を引き起こしやすくなります。また、精製された穀物は腸内の善玉菌のエサになりにくいため、腸内フローラ(腸内細菌のバランス)が乱れることもあります。これにより、免疫力の低下や慢性的な炎症、さらには心身の不調を招く可能性があります。
4. ビタミン・ミネラル不足
精製小麦には、穀物本来が持つビタミンB群、鉄分、マグネシウム、亜鉛などの栄養素がほとんど残っていません。中高年になるとこれらの栄養素が特に重要になりますが、精製小麦を多く摂取しているとこれらの重要な栄養素が不足し、エネルギー代謝や免疫機能に影響を及ぼす可能性があります。ビタミンB群の不足は疲労感や集中力低下を引き起こしやすく、マグネシウム不足は筋肉のけいれんや心臓の健康に影響を与えることがあります。
5. 中毒性と食べ過ぎのリスク
精製小麦製品は、砂糖やジャンクフードと同様に中毒性があるとされています。これらの食品を食べると、脳内で快楽を感じる物質(ドーパミン)が放出され、食べ過ぎにつながることが多いです。中高年は基礎代謝が低下しているため、エネルギー消費が少ないにもかかわらず食べ過ぎると体重が増加しやすくなり、肥満や生活習慣病のリスクが高まります。
6. 炎症性疾患のリスク
精製小麦を多く摂取すると、体内で炎症を引き起こす可能性があります。精製された炭水化物は、血糖値の急激な変動やインスリン抵抗性を悪化させ、体内で炎症性物質の分泌を増加させます。慢性的な炎症は、動脈硬化、心臓病、アルツハイマー病、さらには癌などのリスクを高めるとされています。もちろん病的な肥満を引き起こす原因にもなります。
7. 心血管疾患のリスク
中高年にとっては心血管系の健康も重要ですが、精製小麦製品はこれに悪影響を与える可能性があります。これらの食品は血糖値を急激に上昇させ、これが長期間続くと血管にダメージを与え、動脈硬化のリスクを増大させます。また、内臓脂肪の蓄積により高血圧や高コレステロールも引き起こしやすく、心血管疾患の発症率が高まります。
8. 骨の健康への影響
精製小麦製品は、特にカルシウムやマグネシウムなど骨の健康を維持するために必要な栄養素が不足しています。中高年にとって骨密度が低下しやすい時期に、これらの食品ばかりを摂取すると、骨粗しょう症や骨折のリスクが高まる可能性があります。
9. 老化の加速・外見の劣化
精製小麦に含まれる糖質が体内で「糖化」を引き起こすことがあります。糖化は、体内でタンパク質や脂質が糖と結びついて変質し、老化を促進する物質「AGEs(最終糖化生成物)」を作り出します。これにより肌の弾力が失われ、しわやたるみといった老化現象が進行するだけでなく、内臓や血管にもダメージを与える可能性があります。単純に「年齢よりも老けて見える」状態につながります。
10. メンタルヘルスへの影響
精製小麦製品は血糖値を急激に上昇させた後、急激に低下させるため、エネルギー不足や疲労感、気分の不安定さを引き起こすことがあります。特に中高年ではホルモンバランスの変化も相まって、これがメンタルヘルスに悪影響を及ぼしやすく、うつ症状や不安感を増す可能性があります。
同じ炭水化物である米(ごはん)よりも、小麦が怖い理由:それはグルテン
精製小麦のもう一つの大きな問題点として、グルテンが挙げられます。グルテンは、小麦、大麦、ライ麦に含まれるタンパク質であり、特に消化や健康に対して悪影響を与えることが報告されています。以下は、グルテンに関する精製小麦の問題点です。
1. グルテン不耐症とセリアック病
グルテンは、多くの人にとって問題ないものの、一部の人には消化不良や免疫反応を引き起こします。特にセリアック病の患者にとって、グルテンは免疫系を刺激し、小腸の内壁を損傷します。これにより、栄養素の吸収が阻害され、栄養失調や慢性的な消化不良を引き起こすことがあります。精製小麦にはグルテンが多く含まれているため、セリアック病の患者やグルテン不耐症の人には特に問題となります。
2. 非セリアック性グルテン感受性
セリアック病ではないものの、非セリアック性グルテン感受性(NCGS)を持つ人もいます。これらの人は、グルテンを摂取すると消化器症状や頭痛、疲労感、関節痛などを経験することがあります。この状態は精製小麦を多く含む食生活で症状が悪化することが報告されています。
3. 炎症と腸内環境への悪影響
グルテンが腸内の炎症を引き起こす可能性も指摘されています。特に精製小麦製品はグルテンの含有量が高く、これにより腸の透過性が増し、腸内環境が悪化することで、慢性的な炎症や免疫系の異常反応を引き起こすことがあります。これが代謝や免疫力の低下につながり、体重管理や健康に悪影響を及ぼすことがあります。
4. コメとの比較
米にはグルテンが含まれていないため、グルテンに敏感な人でも問題なく摂取できることが多いです。米は消化がしやすく、グルテンに関連した消化器系の問題を引き起こさないため、精製小麦の代替として利用されることが多いです。また、米は血糖値の上昇を引き起こすことがあるものの、グルテンによる免疫反応や消化不良のリスクはありません。
肥満治療・成人病治療の医療現場では、小麦の摂取制限が常識
医療現場では、肥満治療や中高年の成人病(メタボリックシンドロームなど)の予防・治療において、精製小麦食品の制限が推奨されています。精製小麦を含む食品は血糖値を急激に上昇させ、インスリン抵抗性や脂肪蓄積を引き起こす可能性が高いため、特に糖尿病や心血管疾患のリスクがある人に対しては注意が必要です。
例えば、アメリカ心臓協会(AHA)では、精製された炭水化物を避け、全粒穀物や食物繊維が豊富な食品を摂取することが、メタボリックシンドロームの予防と治療に役立つと強調しています。これにより、体重管理や血糖コントロール、脂質の改善が期待できます。また、クリーブランドクリニックでは、精製小麦などの加工食品を減らし、全粒穀物や野菜を中心とした食事が成人病予防に効果的であるとしています
さらに、日本国内でも同様のアプローチが取られており、肥満治療や生活習慣病の予防において、精製小麦製品の制限が重要視されています。精製された炭水化物の摂取は、血糖値の急激な変動を引き起こし、糖尿病や心疾患のリスクを高めるため、医師や栄養士によって制限が推奨されています。
まとめ
これまで見てきたように、精製小麦製品および炭水化物・糖質の摂り過ぎは、健康にもダイエットにも、さらに美容にも悪いものです。
代謝の活発な若い時は、それほど問題なかったわけですが、40代以降は、食事の影響が体に蓄積しやすく、肥満など健康リスクが大きくなっています。運動不足なら、なおさらです。ダイエットや健康のために食事を見直すなら、この視点は極めて重要です。
【PR】質制限プログラム「NOSH – ナッシュ」公式サイト
参照サイト
Health.comでは、中高年の体重管理における「炭水化物の質」がどれほど影響するかを解説英語サイトなので、日本語変換が必要です。
「健康日本21」の中で、厚生労働省は炭水化物の摂取総量やバランスの取れた食事の重要性を指摘しています。
結婚して20年、共にダイエットに勤しむ50代夫婦。加齢に伴う代謝減少に対抗するために、コロナ禍から筋トレとたんぱく質の強化に取り組み、かろうじて体形を維持するも、共に酒と美味いモノに目がないため、筋肉はなかなか付かない。夫180cm・68kg、妻154cm・42kg。60代も体形維持するために、美味いものとダイエット情報を集めます。