NEAT(ニート)ダイエットのやり方「意外とエネルギー消化できて太りくい生活」を実現

ダイエット

「NEAT(ニート)ダイエット』というダイエット方法は聞いたことがありますか?
特別な運動をせずとも、日常の体の使い方で、カロリー消費(代謝)を増やし、太らない、太りにくい生活習慣を身に着けるダイエット方です。この記事は、NEATダイエットは、本当に効果はあるのか?具体的なやり方を明らかにします。

NEAT(ニート)とは?

「非運動性活動熱産生(Non Exercise Activity Thermogenesis)」の頭文字をとった言葉になり、「非運動性」は筋トレなど運動によるものではないこと、「熱産生」とは消費エネルギーのことを意味しています。つまり、特別な運動をすることなく日常生活の中で消費されるエネルギーを意味します。

NEATダイエットとは?

非運動性活動熱産生を増やし、エネルギー消費を増やすダイエットを意味します。
具体的には、洗濯・子供と遊ぶ・買い物・犬の散歩・階段昇降・ストレッチなど運動に該当しないと思われる日常の活動を増やす取組です。

・・・・そんな事でやせるの?
そんな疑問について、東京大学、電気通信大学、奈良県立医科大学医学部など多くの研究機関でその健康効果、ダイエット効果が研究されています。

NEATの効果は?

アメリカにおけるNEATのダイエット効果を裏付ける研究結果例

アメリカにおける研究例
8週間にわたり、被験者に通常の摂取カロリーにプラスして1,000Kcalを余分に摂取したもらい、8週間後の体重の変化を検証した。その結果、その太り方には大きな差が現れた。
被験者の生活習慣を検証すると、長時間座ってばかりの人は大幅に太った。
一方、マメに動く人は、少ししか太らなかった。

このことから、推定されることは2つ
① 摂取カロリーを1,000Kcal程度増加し、8週間続けると、やはり太る。
② 日常で小マメに動いている人は、1,000Kcal程度摂取カロリーを増やしても、少ししか太らない。

上記の②を裏付けるデータ

一般的な人の日常生活におけるエネルギー消費の内訳は、下記グラフのように構成されています。
消費カロリー内訳グラフnosh(ナッシュ)でカロリー管理&ダイエット

上記のグラフで、グレーの60%を占める基礎代謝は、特に動かなくても、寝ていても、
消費されるエネルギーです。
この基礎代謝は、体の構成によって異なり、筋肉が多い方が基礎代謝は増えます。
基礎代謝を上げて、脂肪を燃焼させましょうと言われますが、筋肉は一朝一夕には増えませんので、中長期で継続的に鍛える必要があります。

黄色の10%は、食事誘発性熱産生で、食事をとって咀嚼や身体の中で栄養素が分解・吸収されるときに、一部が熱となって消費されることを指します。これは個人差の大小はあまり大きくありません。

テーマとなるオレンジの30%がNEATです。
このNEATの30%は、日常の動き・活動・生活習慣によって変動しますので、個人差は大きくなります。このNEATを如何に高められるか?がNEATダイエットのカギになってきます。
NEATを高めることにより、エネルギー消費の総量は増やることがでるのです。

2005年にアメリカのサイエンス誌に、「太っている人は、痩せている人より、
1日に164分間も座っている時間が長い」との研究結果が発表さました。

この研究結果では、NEATの高い人は、座りっぱなしの人よりも1日平均350Kcalも消費エネルギーが多い、としている。NEATの大小で、毎日ごはん2杯分のカロリー差がつくと言われています。
NEATを高めることにより、エネルギー消費の総量は増やることがでるのです。

なお、上記グラフでは、運動は0%となっていますが、これは人により差があるものの、
最小0~最大5%にとどまるとされます。
運動によるエネルギー消費は、大きいと思われる方が多いと思われますが、実はそうでもないことがわかっています。

運動でやせるのは、至難の業

例えば、ジムに通ってやせるためには、週3回、1回2時間は身体を動かさないと効果が出ないといわれます。
日々忙しい中で、1回2時間、週3回をこなすことは、難しいでしょう。

ちなみに、体重を1キロ減らすためには、7200キロカロリーを消費が必要とされます。
例えば、1万歩あることで、約300キロカロリー消費する(体重によって異なる)といわれますが、それでも1キロ減らすには、7200Kcal÷300kcal=24日かかることになります。
1万歩は、およそ8km程度、時間間にして1.5~2時間かかります。有酸素運動であってカロリー消化はこの程度です。

1.5時間から2時間もかけて歩く運動を長期的に継続しても、それほど筋肉が付くことは期待できません。筋肉をつけるなら、短時間であっても、もっと負荷の強い筋トレなど(無酸素運動)を行った方が、長期的には筋肉がつき、基礎代謝が上がることが期待されます。

参考:1万歩と同程度のカロリー消費に該当する運動例

ジョギング

徒歩よりも速いペースでの運動。おおよそ1時間で10kmほど走ることができます。これは、1万歩の徒歩と同程度のカロリーを消費するでしょう。

サイクリング

高速でのサイクリングもカロリー消費に効果的です。おおよそ1時間で15kmから20kmほどを走ることができます。

スイミング

水泳は全身の筋肉を使うため、高いカロリー消費効果があります。1時間の水泳で、1万歩の徒歩と同等のカロリーを消費できるでしょう。

エアロビクス

エアロビクス運動は、高強度の運動であり、1時間のエクササイズで徒歩と同じくらいのカロリーを消費することができます。

健康的に痩せるためには、運動だけで痩せようとは思わず、食習慣の改善も取り入れることです。そして基礎代謝量を増やすために、生活のなかに身体を動かす機会を増やすといいでしょう。

NEATダイエットのやり方・はじめ方

ここから、本題であるNEATダイエットの実行について、記載します。
現代は、日常生活の機械化・自動化により、日常の体の動き・活動は1日100kcal以上も減少しているといわれています。100kcalは侮れません。2カ月で約1kg、1年で約5kgの体重増加につながる可能性があります。
こんな便利な時代だからこそ、日常の体の動き・活動、つなわち「NEAT」を高めることができれば健康的で無理なく継続できるダイエットとなるでしょう。

具体的なNEAT(ニート)ダイエットのやり方

NEAT(ニート)ダイエットの観点で、日常の動作を見直すポイントは、座っている時間を減らすことです。長い時間座ったままの状態になることを避けましょう。
こんなところにもNEATダイエットが紹介されています。
下記にあげる動作は、NEATダイエットの例です。
NEATダイエットの行動は、日常のいろんな場面で取り組むことができることのヒントとして頂けば良いと思います。

①姿勢を見直す

正しい姿勢を保つことで、姿勢の悪さによって衰えていた筋肉を動かすことが出来ます。
中長期的には、ボディラインの改善にもつながります。また、肩こり・腰痛症状の改善にもつながると言われます。
特に改善すべきポイントは背骨と腰です。
猫背や反り腰をただし、背骨をピンとまっすぐに。
座った時の姿勢も大切で、座骨に椅子の座面を垂直にあてて、背筋をのばしましょう。

②こまめに歩く

・近くの買い物は歩く
・日常で思い立ったことは、すぐに実行する、人に頼まず、自分で動く

③階段を使う

職場や外出先ではエスカレーターやエレベーターをなるべく使わず、階段にチャレンジする。
チャレンジを積み重ねると習慣になります。
駅や買い物中も階段を使うようにして、無理のない範囲で慣れましょう。

④座るときも意識

姿勢のところでも触れましたが、座る姿勢は重要です。
座骨に椅子の座面を垂直にあてて、背筋をのばしましょう。
また、足を組まないこと。
両足は、かるく密着する状態で、お尻の筋肉と肛門を締めるイメージで。
また、長時間座り続けている場合は、脚の運動を。
足首を回す、かかとを地面から少し離して20秒から30秒キープするなどがおすすめ。
血の巡りをよくすることができるので、むくみ防止にも効果的です。

⑤家事をする

家事を頑張ることもカロリー消費になり、NEATの増加になります。
掃除、洗濯、布団干し、洗車、庭の草むしり、ゴミ出し、やることはたくさんあります。
風呂掃除やトイレ掃除はたくさんカロリー消化できそうです。

NEATダイエットの注意点

NEATダイエットは日常の生活習慣をゆっくり変えるつもりで、実行して定着させたいところです。だから、下記には注意して取り組みましょう。

無理に一気にやろうとしない

一度に一気にやろうとすると、無理がかかり、継続できずに、途中で挫折してしまう人も多いでしょう。まずは姿勢を常に正しく意識する、なるべく歩くなどから始めましょう。

無理せず、出来そうなことを列挙して目標にする

・散歩を増やす
・掃除のやり方を変える
・洗車機をつかわず手洗いする、
・エレバーターつかわず、階段を使うようにする!
など長期で無理に目標を決めずに自分が必ず目標を達成出来る目標をたてましょう。 無理な運動をしないで少しずつ頑張っていければ自然に痩せやすい習慣や体質をつくれるようになります。

参考文献

 

著者の山田 恵子氏は、東京大学医学部卒業。
整形外科専門医、認定産業医。東京大学医学部医療情報経済学、ハーバード大学研究所客員研究員等を経て、東京大学医学部附属病院整形外科(

まとめ

NEATダイエットは、極めてカンタン、シンプルで、コストもかかりません。
要は、日常の体の動きを活発にすること。あるいは、常に楽をしたい、動きたくないという発想を棄てて、カラダを使う機会を地道に増やすこと。気合を入れて運動するような努力でなく、日々の些細な動きの積み重ねで、自分の消費カロリーの30%部分を増大させることが出来ます。

なお、NEATダイエットは、運動・スポーツあるいは筋トレでカラダを絞りこむことを否定するものではありません。NEATに該当する日常的な活動・体の動きを活発にしながら、時間のある時に、スポーツや筋トレにも励むことで、より一層、健康的で引き締まったカラダをつくることが出来るでしょう。

最後に、人間の体の細胞は、10年ですべて入れ替わります。また、毎日、細胞は入れ替わっています。日々の生活習慣で、3年後、5年後、10年後の体形は変わるのです。
筋トレと宅配食でリバウンドしない太らない体をゲットする方法

ご参考サイト日経GOODAY「代謝のカギはニート?」

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