中高年が婚活を成功させるには、「方法論」よりもまず「思考のクセ(マインドセット)」が大切です。
「思考のクセ」は、これまでの生活で蓄積されたもので、行動に大きく影響し、大きな障害となることが多いとされます。中高年の場合、若年層よりも経験豊富なため、「思考のクセ」は強い傾向があります。もちろん、これは良い面と悪い面が混在します。それだけに客観的に見直すことは重要です。
以下では、男女別に「よくある障害思考」と「望ましいマインドセット」を対比形式で整理しました。
男性編:中高年婚活の思考とマインドセット
×よくある障害となる思考癖
●「まだ若い女性と出会えるはず」幻想
→ 若さにこだわり、同世代女性を最初から対象外にしてしまう。
→ 結果的に「理想が高い」と見られ、マッチングの機会を逃す。
●「経済的に安定している=選ばれる」思い込み
→ 確かに経済力は強みですが、感情・価値観・会話力のバランスが重視される時代。
→ お金ではなく「共にいて安心できる空気感」を女性は求めます。
●「再婚や恋愛を今さら」的な照れ・ためらい
→ 真剣さを隠して“軽く見せる”姿勢が、逆に誠実さを欠いて見える。
→ 自信のなさが相手に伝わりやすく、結果的に印象を下げる。
●「自分のペースを崩したくない」頑固さ
→ 自立して長年一人で生活してきたため、柔軟性が欠けがち。
→ 相手の生活スタイルを尊重する姿勢が不可欠。
◎ 望ましいマインドセット
〇「若さより価値観の共有」
→ “同世代の女性だからこそ分かり合える人生観”に価値を見いだす。
〇「経済力より信頼感」
→ 安定を示すだけでなく、「この人となら一緒に歩める」と思わせる安心感を。
〇「今さらではなく、今こそ」
→ 人生後半だからこそ、より充実した関係を築けるチャンスと考える。
〇「変化を楽しむ」
→ 相手に合わせる柔軟性を“我慢”ではなく“新しい発見”として楽しむ。
女性編:中高年婚活の思考とマインドセット
×よくある障害となる思考癖
●「どうせ中年男性なんて…」という先入観
→出会いの前から“想定外”と決めつけ、チャンスを閉ざしてしまう思考です。
●「私はもう恋愛対象ではない」自己評価の低下
→自己評価が低過ぎると、自然に外見に影響します。
→男性は「落ち着いた女性」「包容力のある女性」に強く惹かれる傾向あり、十分恋愛対象となりえます。
●条件で相手を見すぎる
→上から目線になりがちで、好感されません。
→職業・年収・学歴・持ち家などを条件設定は、心の通う相性の良い出会いを排除してしまう可能性があります。
●過去の経験を引きずる、前の夫との比較
→離婚経験や過去の恋愛から「また傷つきたくない」という過剰な防衛的思考に陥っています。
→過去を見て生きることをやめ、未来のために行動する意識が重要です。
◎望ましいマインドセット
〇「先入観を手放し、まず会ってみる」
→ “思っていたより素敵だった”という出会いは、40代以降にこそ多い。
〇「年齢=魅力の熟成」
→ 経験と包容力は若い女性にはない“強み”。
→ 自信を持って自然体で接することが最大の武器。
〇「条件重視よりも心のフィット感」
→ “一緒にいて楽”という感覚が、長続きする関係の本質。
〇「過去ではなく未来を見据える」
→ “これまで”より“これからどう生きたいか”を話せる人が、最も魅力的。
* 共通のマインドセットとして大切なこと
完璧を求めず「ちょうどよい人」を見つける感覚
出会いを“成果”ではなく“経験”として楽しむ
「選ばれる」ではなく「選び合う」姿勢
素の自分を見せる勇気
自分を“成長の途中”と考える柔軟さ
中高年によくみられる思考癖の本質を探ってみる
ご参考:思考癖は加齢による脳機能の変化や、長年の経験・価値観の固定化などが影響していると言われています。思考の癖は医学的な根拠もあり、やむを得ない面があります。
ただし、思考癖を修正することは可能です。
大衆や世間の「思考のクセ」に影響されない意思を
個人の思考とは別次元で、「中高年になったら異性との交流や性からは卒業すべき」という考え方が、日本社会では根強く存在することはご存じだと思います。
この考え方に影響されることは、避けるべきです。
なぜなら、この考え方は「無難」しか生まず、個人の幸福に貢献することは極めて少ないと思います。
実際のところ、「性」は「生殖」とイコールではなく「生命エネルギーと心のつながり」の問題です。
人生の後半期においても、性は健康・幸福・自己肯定感に深く関わる重要なテーマで、万人にとって大切なことです。
以下では、身体面・精神面・社会面の3つの側面から、性と向き合うことの重要性を説明します。
A:身体面:性は健康のバロメーター
性欲・性的関心は「ホルモンバランス」の指標
人間は加齢に伴って、男女ともに性ホルモン(テストステロン、エストロゲン、DHEAなど)が減少します。
一方、性的関心や適度な性活動はホルモン分泌を維持し、代謝や免疫、筋肉量にも好影響をもたらします。
したがって、中高年にとって適度な性的な活動は健康維持に寄与します。
・男性:テストステロンは筋肉量・集中力・積極性を支えるホルモン。
・女性:エストロゲンやオキシトシンは血管や皮膚の若さ、心の安定に関係。
☞ つまり「性を感じる力」は、「生きる活力」と直結しています。
性的刺激は脳を活性化させる
性的なときめきやスキンシップは、ドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質を分泌させます。
その結果、脳の報酬系が刺激され、「意欲の向上」「ストレス軽減」「睡眠の質の改善」
など、精神的にも生理的・肉体的にもアンチエイジング的な効果が期待できます。
適度な性的活動は血流改善・免疫向上にも
性的な接触やオーガズムには血流促進・心拍上昇・免疫細胞活性化といった生理的効果があります。
中高年期の動脈硬化・糖尿病・認知症リスクを和らげる研究報告もあります。
ご参考:中高年の性と健康の関わり(NPO法人キャンサーネットジャパン)
B:精神面:性は「生きる喜び」と「自己肯定感」の源
「愛される・求められる」経験は心を再生させる
中高年になると、社会的役割(子育て・仕事)が一段落し、“誰かに必要とされる実感”が減ります。
異性との交流やスキンシップがあれば、「まだ自分は魅力がある」「生きていて良い」という感覚を呼び起こし、自己肯定感を高める心理的作用があります。
性は「コミュニケーション」の最も深い形
性的な関係とは単なる肉体的行為だけではなく、「相手を思いやり、自分をさらけ出す」という、人間的な信頼と受容の表現です。
中高年期にはこの“感情的つながり”が心の安定をもたらし、孤独感を和らげます。
性を受け入れることは「自分の人生を受け入れる」こと
老いを理由に性を拒絶すると、自分の身体や感情を否定することにもつながります。
逆に、「年齢を重ねても感じることができる」と受け入れることは、自分自身の自然な生命力を認める行為でもあります。
C:社会面・人生観の側面:性は「人とのつながり」を再生させる
性的交流は「孤独対策」にも有効
高齢者の孤独・孤立が社会問題となる中、異性との交流は最も自然な「社会的接点」です。
デート、パートナーシップ、同居などの形を問わず、人と触れ合う機会が心身の健康を守ることが明らかになっています。
性的成熟=人間関係の成熟
中高年期の性は、若い頃の“衝動的な性”とは異なります。
それは、相手を思いやる優しさ、丁寧な対話、心身の安心感を伴う“成熟した性愛”と言えます。
これは、人生経験を積んだからこそ到達できる深い人間関係です。
【まとめ:性は「生きる力」であり、卒業するものではない】
中高年の性は、下記の表のとおり若年期の性とは、「生(健康)」や精(心)への意味合いが異なります。
| 観点 | 若年期の性 | 中高年期の性 |
| 主な目的 | 生殖・快楽 | 心の交流・生命力維持 |
| 求めるもの | 刺激・興奮 | 安心感・共感 |
| 身体への作用 | 成長促進 | 若さ・健康維持 |
| 心への作用 | 自信形成 | 自己肯定・幸福感 |
中高年が性を諦めるというのは、「生きる意欲」「人とつながる力」を手放すことにつながる可能性があります。性を自覚し、楽しむべきです。
繰り返しになりますが、婚活は精神力を要します。自身の未来のために行動する心構え、マインドセットが重要です。
頑張りましょう。
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40代で結婚した50代夫婦(もうすぐ60)。夫婦共通の趣味は、料理と酒。筋トレも少し。2人ともに友人に独身が多く、紹介したい気持ちはあるが、具体的には実現せず。友人たちに婚活をおすすめする気持ちでブログを作成することに。このブログを読んだ方が積極的に婚活し、パートナーが見つかったらウレシイです。愛知県在住。

